CASE 01
土地に仕事を、村に収入と活気を
人々を動かした元議員の情熱
京都府南丹市園部町
大西 一三 さん
南丹市園部町の大西一三さんは、2013年ごろに太陽光発電設備一式を導入した。いわゆる「野立て」と呼ばれるスタイルの産業用システムで、現在は個人で35kWほどの発電システムを管理しているが、それだけではない。村の森林組合に所属する元議員という経験を武器に、メディアも注目するほどの仕事をやってのけたのだ。それは、地域で使用するエネルギーを「自給自足」でまかなうための体制の確立。10軒ほどの農家を集め、耕作放棄地の活用も含めた地域活性化の計画を立案し、計200kWほどの発電量を誇るシステムを導入することに成功した。大西さん宅の設備も、その一環で設置されたものだ。
もともと、寂れていく一方の地元に危機感を抱いていた。周辺は、送電設備がなかった大正時代に、何と自力で水力発電を行ったという逸話を持つ地域。未知の事業へと踏み出した先人たちに比べれば、手っ取り早くチャレンジできる太陽光発電がある自分たちは、いかに恵まれているか…。行政からのサポートはなかったものの、放置すれば荒れる土地に仕事を与えたいという一念で駆け回ったという。
地元の美しく豊かな自然も、過疎が進めば衰退の象徴に成り下がる。高齢化が進んでも、信頼できる業者のサービスがあればしばらくは維持できるし、沈滞気味の行政に再び腰を上げさせる起爆剤になるかもしれない。再生可能エネルギーによる地域活性化の青写真には周囲の理解も集まり、維持管理サービスに強いタカハシとともに事業プラン化。結果的に、新聞社などが取材に訪れるような「成功事例」を作ることができた。
収入源を兼ねた新たな取り組みは、村に活気をもたらす。太陽光発電事業の成功に沸いた集落では、林業の再興に臨みたいという声もあがり始めたという。太陽光発電事業が地域活性化の策になり得ることを実証した大西さんは、ご本人も水力や風力発電の研究に着手。今後も「自然再生分野への人々の関心を高めるために貢献したい」と、静かに結んだ。
CASE 02
互いをよく知る間柄だからこそ
襟を正し、甘えず、真摯に
京都府亀岡市旭町
加茂 大輔 さん
亀岡市にお住まいの加茂大輔さんは、現在、約500坪の敷地内で2つのソーラーシステムを運用している。ひとつは自宅の節電用に先行して設置した住宅用太陽光発電設備、もうひとつは倉庫の屋根を利用して追加した産業用システム。前者については、発電量などに大きな不満はないものの、引き渡しを終えたらその後は一度も訪問せずという設置業者の姿勢を疑問視。そこで、業者のスイッチを決意し、後者の計画では幼なじみが勤務するタカハシを任せることにした。
もともと自宅用発電の余剰電力を売電していたこともあり、知識は相応にある。事業のキックオフは幼稚園の頃からの友人が一緒で、気心も知れている。言いたいことを言える関係は、ともすれば「なぁなぁ」になるものだが、タカハシは当初から人間関係に甘えるような態度を取らなかった。「以前の業者とは違う」と感じた加茂さんだが、本格的に異なるのはここからだった。
台風のニュースなどでは、暴風の後にパネルがめくれ上がっている光景を見かけたりするが、京セラ製品がそうなっているのは見た記憶がない。予備知識を有していた加茂さんは、京セラの品質に信頼感を抱いていたが、驚いたのはむしろタカハシの施工だった。2社で設備を導入した加茂さんは、タカハシは「決して安いとは言えない」と感じていたが、施工時に設備が揺れたりしないよう必ず足場を組む姿を見て「自分は安心を買ったのだ」と悟ったという。
実際、対応は目をみはるレベルだった。小さな疑問をぶつければ現地を調査・撮影の上で説明に来るし、自身が勤務する福祉施設での導入を相談した際には費用対効果の面から設置を見送るよう進言された。こうした「正直さ」がタカハシの魅力と力説する加茂さんの土地には、まだ何もしていない屋根が載る建物が控えている。可愛い盛りの子どもたちの将来のためにも、いま動くべき。加茂さんは、さらなる増設の意向をパートナーのタカハシに伝え、事前調査の報告を待っている。
CASE 03
熱意と発想のキャッチボールで
地域への愛情をカタチに
京都府南丹市日吉町
芦田 四郎 さん
長く農業を営んできた芦田四郎さんが太陽光設備を設置しているのは、自宅の隣地。かつての「お隣さん」から買い取って欲しいと相談されて引き受けた土地で、自身が積極的に取得したものでなければ、使いたい用途が決まっているわけでもなかった。特に有効に活用しているとは言い切れない状態のまま、やがて農業にも体力的な限界を感じ始めたころ、偶然、タカハシの広告を目にする。それは産業用太陽光発電に関する説明会の開催告知チラシで、とりあえず参加してみることにした。
芦田さんには、とある強い思いがあった。それは、過疎化が進む一方の地域の土地を荒廃させないように尽くすこと。耕作放棄地など土地の管理はすでに社会問題となっていることに危機感を抱いており、かつては霞が関の役人と議論した経験もある。行政任せではなく、住人自身が立ち上がらなければ、衰退は止まらない…ソーラーパネル設置の決断は、そんな考えが背景にあった。
太陽光発電システムの運営にあたっては、発電状況などはインターネットで確認できるが、細かい管理が厳しい。そこで、設置業者のタカハシに定期的な点検やメンテナンスを頼んでいる。こまめに現地に通い、必要なら草刈りまで代行してくれるので、初期投資に加えてランニングコストもかさむ。結果、投資として見ればさほど割がよいとは言えないが、それよりも、周囲の人々が「地域を維持したい」と思えるような空気づくりに貢献したい。子どもも理解してくれた地元の熱意は、タカハシの企業カラーにもよくマッチした。
驚いたのは、雑草対策だ。除草について相談したところ、自身も「無機質な風景は好みではない」と言い切る担当者が、奇想天外なアイデアを持ち込む。草に困っているのに、植物を植えようと言うのだ。防草シートや採石で景観の荒廃を防ぐのではなく、繁殖力の強いイワダレソウで積極的に美観を作る…。そんな「熱意と発想のキャッチボール」が、芦田さんの思いを支えている。